こんにちは、高円寺PAL歯科医院の新井です。
虫歯の診断にはレントゲン写真が大変有効ですが、虫歯が歯の側面や生え際などから複雑な形で進行している事もあり、レントゲン初見からわかりづらく、診断に悩む事もあります。
レントゲン写真以外にも検査法は存在しますが、確実性のあるものはありません。
という事で、歯の治療・診断は不確実性も多く、大きい虫歯と診断して治療してみると、そうでもなかったり、小さな虫歯と思っていざ治療してみると、かなり進行していて驚くこともまれにあります。
同じクリニックで同じ機械を使って診断をしていても、担当する先生によって虫歯の数が違ったりする事もあるのです。
最終的には、症状や視診(目視による確認)、X線審査から、虫歯と思われる部分を少しずつ削りながら調べる事になります。
「あいまいな表現で歯を削られるのは怖い」と思われるかもしれませんが、医療には不確実な要素も多く、治療を行うには患者さんとの信頼関係が不可欠です。
こちらのブログをみていただき、少しでも理解していただければ幸いです。
Case.13
金属のつめものの下の状況がわからない
定期メンテナンスに通っていらっしゃっている患者さんです。
金属のつめものが若干不適合気味になっているのと、その周りが黒くぼやっとなっていて怪しいですが、金属色が透けているのか虫歯になり始めてるのか、よくわかりません。
レントゲン写真で確認します。
虫歯があるのかはっきりしない写り方です。
患者さんに状況を説明の上、つめものを外して調べてみる事にしました。
つめものを外すと、虫歯が出てきました。
金属のつめものの下に、アマルガムという金属がつめてあるのも見られます。
あとは、少しずつ削りながら、虫歯を調べます。
全ての虫歯を除去しました。
幸い、あまり大きく歯を削らずに済みました。
早いうちに治療が出来てよかったかと思います。
こちらのブログを最後まで読んでいただいた、歯の治療に関心の高いあなたのご来院、お待ちしています。
今後ともよろしくお願いします。
Case.12
治療をするべきか悩むケース
日々、診療をしていると、治療をすべきか、経過観察すべきか悩むケースによく当たります。
歯科医によって虫歯の数が違った!という話を聞きますが、こんなケースが多いのではないかと思います。
見た目は問題なさそうな所見です。
歯石除去時に黒い点が見つかりました。
見た目だけの小さな点であれば、経過観察でよいかと思うのですが、
- 歯と歯の間(隣接面)→虫歯が進行しやすい場所
- 黒い点がひっかかる→虫歯が進行している可能性
という点が気になります。
何はともあれ、レントゲン写真で確認します。
黒い点の前後がボヤっと黒っぽく写ります。
何かありそうにも何もなさそうにも見える、あいまいな写り方です。
あとは、患者さんに説明して削って中を調べていくしかありません。
患者さんの同意を得られましたので、慎重に削って中を見てみると、手前の歯からも虫歯が見えてきました。
手前の歯は中の方まで虫歯が進行しているのがわかります。
最終的には、元々つまっていたレジンやインレーを外して、しっかり中を調べて治療する事になりました。
すると、その後ろの大臼歯のレジン部にも虫歯が見つかりました。
虫歯がより深く進行する前に処置できてよかったかと思います。
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Case.11
レントゲンに写らない側面の虫歯を、少しずつ削って調べる
こちらも、虫歯が歯のあちこちで進行してしまっている患者さんのケースです。
特に側面の虫歯が深そうです。
側面にできた虫歯はレントゲン写真では診断しづらくやっかいです。
今回は「見るからに深そう」ですが。
さすがにレントゲン写真でも虫歯がありそうな事は確認できますが、実際にどうなってるのかはあまりはっきりわかりません。
少しずつ虫歯を除去していきます。
歯の側面から、手前の歯までつながった虫歯になっていました。
手前の歯までの虫歯を除去しました。
歯の後ろ側の側面も、大きな虫歯になっていますので、処置します。
隣の歯との間(隣接面)は、中で虫歯が広く進んでることが多いです。
結局、前後の歯に渡る広い虫歯でした。
レントゲン写真だけでは、ここまでの虫歯は判断できませんでした。
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Case.10
レントゲン写真で写らない側面の虫歯
歯の側面が大きな虫歯になってしまった患者さんのケースです。
このように歯の側面が虫歯になった場合、レントゲン写真で虫歯の状況がはっきりわからない事が多いです。
レントゲン写真では、あまり大きな虫歯のようには見えません。
治療を開始します。
歯を少し削ると、すぐに大きな虫歯の穴が出てきました。
さらに虫歯を削ります。
神経に触れてしまいそうなほど、深くて広い虫歯ですね。
全ての虫歯を除去したところです。
何とか神経に触れる寸前のところで踏みとどまれましたが、レントゲン写真からは想像できない虫歯の深さでした。
繰り返しになりますが、虫歯の治療も奥が深く、長年歯科治療をしている我々でも診断に苦慮する場合があります。
くれぐれも、自己判断はせずに、定期メンテナンスに来てくださいね。
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Case.9
大きな虫歯なのに、レントゲンではっきり写らない
こちらも定期検診希望で来院された患者さんです。
お口の中を拝見すると、明らかに虫歯がありました。
3本虫歯になっており、特に中央の小臼歯はかなり大きな虫歯になっているのが予想されます。
治療前にレントゲン写真で虫歯の大きさを確認するつもりが・・・あまりはっきり写ってきません。
患者さんに状況を説明して、歯を少しずつ削りながら虫歯を確認する事になりました。
まず、一番大きな虫歯と思われる部分を小さく削って確認します。
予想通り、虫歯が見えてきました。
隣りの奥歯と一緒に虫歯の治療を進めます。
色が染まっているところがまだ虫歯が残っている部分です。
2本とも、虫歯を全て取り切りました。
特に手前の歯はかなり広めの虫歯になっていました。
最終的に、手前の虫歯の除去も終わったところです。
手前の歯の虫歯は中央の歯まで達していました。
このように明らかに大きな虫歯があると診断されるような状況でも、レントゲン写真でうまく診断できない場合もあります。
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Case.8
レントゲンに写らないレジンの中の虫歯を削って調べる
こちらも定期検診希望で来院された患者さんです。
特に症状はありませんが、歯の咬頭(噛み合わせの山の部分)に小さな穴が空いていて、その周りがもやっと黒く見え、虫歯が怪しいです。
レントゲン写真で確認しますが、ここでは特に問題はなさそうに見えます。
患者さんに状況を説明し、慎重に削って調べる事になりました。
少しずつ穴の部分を削ってみると、ズブッと落とし穴にはまるような柔らかい虫歯の層(=軟化象牙質)に当たりました。
慎重に虫歯を除去したところです。
歯の溝のレジンが詰めてあった部分まで虫歯は進行していました。
とはいえ、それほど深く虫歯は進行していませんでしたので、虫歯除去後、レジンを充填して治療は終われました。
このように定期的にメンテナンスに来ていただくと虫歯が本格的に進行する前に対処する事ができます。
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Case.7
スキマの虫歯がわからない
定期検診希望で来院された患者さんです。
歯と歯のすき間のつけ根が黒くなっているのに気づきました。
ひっかかりもあるので、虫歯があるとみて間違いなさそうです。
レントゲン写真で確認します。
うーん、この写真からだと、どの程度の虫歯かちょっとわかりづらい感じです。
右側の部分の虫歯は少し進行してそうですけどね。
手前側の虫歯から、少しずつ歯を削って確認します。
思ったよりも虫歯は深く、隣の歯まで虫歯が進んでいます。
奥側の虫歯も隣の歯まで虫歯が進んでいるのがわかりますね。
最終的には、隣の歯とのすき間がそれなりの広さの虫歯になっていました。
これだけの広さの虫歯でも、レントゲン写真ではっきりしない事もまれにあり、診断に苦労する事もあります。
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Case.6
レジンの中の虫歯がよくわからない
「奥歯に違和感がある」という訴えの患者さんのケースです。
黄色い丸の部分、レジンが明らかに劣化して中が黒く透けて虫歯になっていそうです。
レントゲン写真で確認します。
レントゲンでは、黄色い丸の部分は虫歯ではなさそうに見えます。
逆に反対側のオレンジ色の丸の部分にレジンがつまっていて、中で虫歯になっていそうなのはわかります。
あとは、レジンを除去して中を調べてみるしかありません。
レジンを除去してみました。
やはり中で虫歯が進行していました。
前後の歯にまで虫歯が広がっています。
全ての虫歯を除去しました。
かなり広範囲な虫歯でした。
今回は、見た目から虫歯がある診断がつきましたが、より診断がつきづらいケースもあり、そういった虫歯を突き止めるには、ドクターの経験と患者さんとの信頼関係が必要です。
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Case.5
神経をとるほど大きな虫歯がわからない
「歯がとても痛む」という患者さんが来院されました。
初見では、特に大きな虫歯や歯周病という感じではありませんでした。
しかし、ピンセットで歯を叩くと、確実にこの歯で反応があります。
レントゲン写真でも、大きな虫歯などはなさそうな感じです。
もう一度歯を確認すると、つけ根がうっすらと虫歯っぽいです。
これかな?しかし、風をかけてもしみません。
うーん。。。
レントゲン写真ももう一度確認してみます。
もしかすると、歯肉の中で虫歯が広がってるのかもしれません。
側面からの虫歯ですので、どれくらい虫歯が深いのかはこの写真からはわかりません。
患者さんに状況をお話しし、麻酔をして慎重に歯を削って調べてみると、神経まで達する虫歯でした(><)
これが痛みの原因で間違いなさそうです。
しみるなどの症状が出る事なく、歯の側面が神経まで達する虫歯になる事は珍しいです。
虫歯と神経を除去し、蓋をして何回か、神経の治療が続く旨ご説明し、今日は治療終了です。
今回は、明確な痛みがあったためにまだ診断がつきやすかったですが、そうでない事もあります。
虫歯の診断も奥が深いです。
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Case.4
レントゲンでわかりづらい、側面の虫歯
検診希望で受診された患者さんです。
歯の溝(裂溝)に虫歯がありそうな歯が見つかりました。
レントゲン写真で確認しますが、虫歯らしき写り方はしていません、浅い虫歯なのでしょうか。
関係ないですが、歯石は確認できますね。
あとは、歯の溝の虫歯を少しずつ除去しながら確認するしかありません。
すると、歯の側面に深めの虫歯が出てきましたので、慎重に虫歯を除去します。
全ての虫歯を除去しました。
今回のように、歯の側面の虫歯は、通常のレントゲン写真でわかりづらく、意外と深い虫歯になっている事があるので要注意ですね。
今回は、通常のレジン治療で終われました。
側面の虫歯を症状が出る前に見つけられたのが幸いでした。
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Case.3
レントゲンに写らなかった、大きな虫歯
歯の黒い点が気になるという事で来院された患者さんです。
恐らく歯の溝の黒い点が気になるのでしょうが、私的には隣の歯との境が気になりました。
まずはレントゲン写真で確認です。
う~ん、意外と虫歯は大したことないのでしょうか。
あまりそれらしい写り方はしていません。
あとは、治療しながら虫歯を確認します。
やはりつめものの下から虫歯が出てきました。
手前の歯のつめものの下にも、虫歯はありました。
かなり大きめの虫歯のようです。慎重に虫歯を除去します。
結局、隣の歯までつながった広い虫歯でした。
このように、レントゲン写真で確認しづらい虫歯もあり、虫歯の診断もなかなか難しく、奥が深いです。
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Case.2
メンテナンス時に見つけたわかりづらい虫歯
今回は、定期メンテナンスに通われている患者さんの虫歯を発見したお話です。
定期メンテナンスの際に、歯と歯の境界部分から虫歯のような所見がみられました。
写真でも薄暗くなっているのがわかると思います。
角度を変えて歯の根元の方を観察すると、やはり虫歯がありそうな所見です。
拡大してみると、やはり怪しいです。
レントゲン撮影をして、確認しました。
・・・が、レントゲン上では、虫歯ははっきりわかりません。
患者さんにお話しして、歯を削りながら虫歯を確認します。
やはり、虫歯が出てきました。
結局、少し歯の中まで入り込んだ虫歯でした。
こんな時でも、レントゲン写真で虫歯が確認できない事があります。
今回は、歯科用レジンで虫歯を削った部分をお直ししました。
定期メンテナンスに来院いただき、症状がない状態で虫歯を発見した事で、最小限の治療ですみました♪
皆さんも、治療後のメンテナンスにはお越しくださいね。
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Case.1
側面につめたレジンの下の虫歯
奥歯のおしりの部分にレジン(歯科用プラスチック)が入っていますが、適合が悪く、その中で虫歯がありそうに見えます。
レントゲンで確認します。
虫歯があると思われる部分がレジンで隠れてしまって、よくわからないです。
むしろ隣の奥の歯の方が虫歯っぽく見えます。
虫歯の発見に有用なレントゲン診断ですが、今回のようによくわからない時もあります。
患者さんの了解を得て、レジンを外して虫歯を確認します。
思った通り虫歯が出てきました。
う蝕検知液で虫歯を可視化します。
赤い部分が虫歯ですが、残っているレジンの奥にもまだありそうです。
レジンは歯と同じ色をしているので、歯と見分けがつきにくい事があります。
写真でもわかりづらいですね。
レジンと歯の境を探しながら、慎重にレジンを除去して、レジンの奥の虫歯を調べていきます。
虫歯を全部除去できました。
結局、隣の奥の歯まで虫歯が進行していました。
このように、虫歯の診断も奥が深く、初見ではわからなず、歯石除去中などに見つかったりする事などもよくあります。
患者さんのご理解とご協力をいただく事で、大きな虫歯への進行を防げる事があります。
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