こんにちは、高円寺PAL歯科医院の新井です。
おやしらずの抜歯をご提案すると、殺人鬼を見るような目で私を見る患者さんがいます。
世間的にも、
「おやしらずの抜歯=痛い・腫れる・この世の地獄」
というイメージが刷り込まれているのかもしれませんが、生えている場所や歯の状態によってさまざまで、必ずしも大きな苦痛を伴うものではありません。
抜歯後に長期間お痛みが出たり、経過観察が必要な難しいおやしらずの抜歯ならまだしも、簡単なおやしらずの抜歯を避けてしまったがために、他の歯に悪影響を与えてしまったもったいない例も多々見てきました。
ここでは、比較的簡単なおやしらずの抜歯の例を中心にご紹介します。
このようなおやしらず、あなたはありませんか?
Case.10
今回は、「おやしらずが痛むので当日抜いてほしい」という主訴で来院された患者さんです。
おやしらずに限らずですが、初めての来院当日での抜歯はお約束できません。
それは、その歯がどのような状態なのかは、来院されて、検査をしてみないとわからないためです。
もしかしたら、抜歯が必要ない歯なのかもしれません。
また、痛む歯の当日の抜歯は禁忌(避けるべき事)です。
それは、歯が痛んでいる時は炎症が大きい時なので、麻酔がことさらに痛い、麻酔が効きづらい、抜歯後に炎症が拡大してさらに痛む事があるなどです。
痛みのある歯をいきなり抜歯するのは、興奮して暴れている人にいきなり飛びかかるようなものです。まずは、少しでもなだめる必要がありますよね。
抜歯の場合は、まずお薬で痛みを少しでも抑えて、次回抜歯というのがセオリーです。
抜歯するのが億劫で、先延ばしにする方がいますが、結局つらい目にあう事になります。
抜歯は計画的にしましょう。
今回の方は、上記の事をご説明の上、了承の上で来院されました。
今回のケースでは、おやしらずがお痛みの原因になってるかは何とも言えない状態でした。
他に原因となる歯も見当たらない、また、歯列からずれて生えているため抜歯をした方が良いケースでしたので、今回の痛みの原因かははっきりしないが、お薬を飲んでいただき後日抜歯して経過観察という事になりました。
抜歯後の歯です。
当日はお痛みもなく、問題なく抜歯が終われました。
今後、他の歯の治療をしながら、経過観察予定です。
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今後ともよろしくお願いします。
Case.9
今回は、歯並びから逸れて生えてしまっている上のおやしらずの例です。
現状、大きな虫歯になっているというわけれはありませんが、手前の歯に比べておやしらずが外側に向いてしまっていて、歯ブラシの支障になっているのが確認できます。
また、手前の歯とのすきまに物がつまりやすいという訴えもありましたので、トラブルの原因になる前に抜歯をすることになりました。
レントゲン上でも、特に抜歯するのに問題はなさそうですね。
という事で、簡単に抜歯する事ができました。
しばらくは歯を抜いた部分に物がつまったりしますが、徐々に歯肉が埋まって歯ブラシがしやすくなるのが実感できるかと思います。
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Case.8
今回は、歯肉の違和感を主訴に来院された方です。
下のおやしらずの頭が虫歯で崩壊してしまっています。
残った歯の頭が少しだけ歯肉に出ている状態でした。
レントゲン写真で確認すると、かなり歯の奥まで進行していると思われます。
こうなると、歯を抜くために力をかけると歯が割れてしまい根っこだけ骨の中に残ってしまうなど、難しい抜歯になってしまう事も想定されます。
今回は幸運にも歯が素直に動いてくれましたので、ほぼ歯の原形を残したまま抜歯する事が出来ました。
こうなる前に、相談に来るようにしてくださいね。
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Case.7
こちらも、他の歯の治療で来院された患者さんです。
上のおやしらずに虫歯が見つかりました。
他の歯の治療がひと段落したところで、抜歯となりました。
いつものように簡単な抜歯で終わりましたが、もう少し虫歯が進行してしまっていたら、思わぬ難抜歯になってしまったかもしれません。
早めに抜歯を受けていただいて良かったと思います。
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Case.6
他の歯の治療目的で来院された患者さんです。
検診すると、下顎の歯肉の中に半分埋まっている親知らずが見つかりました。
このようなおやしらずは、隣の歯の虫歯や歯周病の原因になるため、抜歯した方が良いです。
レントゲン写真で確認します。
下の歯のおやしらずの抜歯は上の歯のおやしらずの抜歯よりも難しい事が多いですが、写真のようにまっすぐ生えている場合は、上の歯のおやしらず同様、それほど苦労なく抜けることが多いです。
この写真の歯はまっすぐ生えていますが、歯の根っこの境界がわかりません。もしかすると、歯と骨がくっついてしまっているのかもしれません。
患者さんも、時々不快感を感じていたそうで、日にちを決めて抜歯となりました。
レントゲンから予想されたように、一部、歯の根っこと骨がくっついていましたので、多少抜歯に苦労しましたが、10分程度で抜歯する事ができました。
少し、虫歯にもなりかけてますね、悪さをする前に早めに抜歯が出来てよかったかと思います。
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Case.5
こちらは上の奥歯が痛むという訴えで来院された患者さんです。
おやしらずが明らかに大きな虫歯になっています。
こちらももちろん抜歯が必要ですが、お痛みのある状態での抜歯は、炎症が拡大しより症状が大きくなってしまうリスクがるため、避ける必要があります。
この場はお薬を飲んでもらい、後日、改めて抜歯となりました。
こちらも5分程度で抜けました。
が、ここまで虫歯が大きくなってしまいますと、抜歯の最中に歯の頭が砕けて根っこだけが歯ぐきの中に残ってしまい、思わぬ難抜歯になってしまう事があります。
難抜歯で処置の時間が長引けば、抜歯後の痛みや晴れのリスクも上がります。
今回は、すぐに抜けてラッキーだったといえるかもしれません。
皆さんも、お口の中で気になる部分があれば、早めの歯科受診をお願いします。
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Case.4
こちらは、上のおやしらずの治療した部分が虫歯になっている方です。
下の歯とも噛んでいませんので、もはや、治療で残しておく理由が見当たりません。
抜歯後の歯の状態です。
こちらも抜歯は5分程度で終わりました。
おそらく虫歯の治療をした方が、時間がかかったでしょう。
前回の虫歯の治療時に抜いてしまった方が良かった気もしますが、いろいろ事情もあったのかもですね(^^;)
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Case.3
こちらも、同じく上のおやしらずの抜歯をおすすめした患者さんです。
レントゲン写真だけ見ると、歯並びも問題なく、虫歯もありませんので、無理して抜かなくてもいいような気もします。
こちらがお口の中の写真です。
めいっぱいお口を開けてもらっても、写真撮影が困難なほど、歯並びの奥に生えています。
これでは歯ブラシが上手くできませんので、将来的に虫歯の原因になってしまいます。
手前の歯の虫歯のリスクも上がってしまいますので、抜歯をおすすめしました。
抜歯は5分程度で終わりました。
抜いた歯を確認すると、表面が少し虫歯になり始めてますね。
この患者さんは下のおやしらずは難しい生え方をしていて、1時間ほどかかって抜歯されたされたらしくあまりの違いに驚かれていました。
このように同じおやしらずの抜歯でも、難易度はケースによって全く違う事をご理解いただければと思います。
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Case.2
こちらも、上のおやしらずの抜歯をおすすめした患者さんです。
歯はない方に動いていきます。このおやしらずは下のおやしらずがないためにどんどん下に伸びてしまっています。
場合によっては下の歯ぐきを噛んでしまうぐらいまで伸びてしまう方もいますし、下の奥歯に干渉して不定愁訴(よくわからない痛みや違和感)の原因になってしまう場合もありますので、抜いた方がよいおやしらずです。
こちらも、抜歯に要した時間は3分程度です。
患者さんはさっぱりした顔で帰られました(^^)
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Case.1
上のおやしらずの抜歯をおすすめした患者さんです。
通常、上のおやしらずは虫歯になった際に抜歯をすすめられる事が多いですが、この方もそんな状態のおやしらずでした。
写真ですとわかりづらいですが、歯並びの列から外れてほっぺた側に向けて生えて、常に頬が歯にかぶっている状態です。
さらに、手前の歯との間に頻繁に物が詰まることもあるそうです。
そのままにしていると、手前の歯にも悪影響を及ぼしてしまいます。
レントゲン写真では、まだ虫歯は大きくなさそうです。
痛みがでたり、歯が大きくかけたりすると抜歯も困難になってしまう事があるため、早めに抜歯する方が楽ですね。
少し歯列からはずれていますが、歯がまっすぐ生えているので、抜くのは簡単な事が多いです。
抜歯後の歯の写真です。
抜歯に要した時間は3分でした。
今回は簡単な抜歯で終わりましたが、虫歯が大きく進行してしまったら、思わぬ大変な抜歯になってしまう事があります。
おやしらずの抜歯も色々です。
おやしらずの抜歯を薦められた際は、ただただイメージから耳をふさいで怖がるのではなく、よく説明を受けてくださいね。
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今後ともよろしくお願いします。